長谷寺 大観音特別拝観
2020年・・・ほんとなら、東京オリンピックで盛り上がるこの年、コロナ禍によって、いつもの日常は消え、ステイホームを余儀なくされた日本。当然、県外の移動も禁止なので、長谷寺の特別拝観も諦めるしかありません。
しかし、特別拝観終了間際、移動自粛が解除され、訪れることが叶いました!なんて、ありがたいのでしょうか・・・。感染対策をばっちり整えて、いざ長谷寺へ。
特別拝観の時は、観音様の足元まで近づいてお参りできるんだって!
仏にたどり着くまでの境内も美しいみたいだね。花も有名らしい。今なら、紫陽花だね。
仁王門から登廊へ
まず、仁王門が出迎えてくれる。屋根が大きく張り出しており、迫力のある構え。両脇には仁王像もたっており重厚な造りだけど、真ん中に吊るされた優雅な灯籠のせいか、威圧感はない。仁王門に近づくと、奥に登廊の入り口が見えてくる。早くもその美しさに目を奪われてしまう。
山の上の本堂まで、この登廊を通っていく。階段の数が399段あるというけど、よく手入れされた庭を眺めながら、かわいい灯籠の下がる屋根の下を歩くのはとても気持ちがよい。途中で、廊下が折れ曲がっており、角にあるお堂をお参りしがてら休憩もできるので、階段を登るのがまったく苦ではないのです!!
私はお寺は大好きなんだけど、その前に待ち受ける石段は苦手で・・・
運動不足の身には石段が苦行で、いつもはゼーゼー言いながら、無言で下を向いてひたすら登るというスタイルなのですが、今回は石段周りの風景を眺める余裕すらあり、むしろ石段が楽しいのです。優雅な気持ちにさせてくれる、素晴らしい石段だと思いました。私の中での、「石段革命」でした。
ああ、この近所に住んでいて、散歩がてらお参りできる人は幸せだな。ご利益はあるわ、健脚&健康になるわ、季節の草花を愛でられるわ、申し分ない散歩コースだもの。訪れた時は、まだ紫陽花の花は少なかったけど、雨に濡れた新緑がきれいで、それだけでも心が洗われるような気持ちがした。
本堂に到着
本堂は、国宝!!崖に舞台が張り出して作られている、いわゆる清水寺に似た構造になっている。今まで登ってきた登廊や、緑の山々、五重塔が見渡せて、とても気持ちの良い空間。特別拝観の仏像ばかりに目がいっていたけど、登廊といい、本堂といい、建っている場所といい、どれも素敵で癒し効果が抜群だと思う。紅葉の時期もさぞ素晴らしいのだろうなぁ。
そしてまた、本堂の中も美しい・・・周囲の緑が反射するぐらい磨き上げられた床といくつも下がっているかわいい灯籠。歴史の重みを感じはするけれど、どこか柔らかい印象で、とても落ち着ける。本堂の奥には、特別拝観で近くまで行くことができる、ご本尊の十一面観世音菩薩のお顔が見えている。像高は、三丈三尺六寸(1018.0cm)あり、我が国で最も大きな木造の仏さまらしい。その大きさは、祭壇を挟んだ離れた場所にいても、かなり上を向いて仰ぎみる形になるほど。今から近くに行けるかと思うとワクワクするなー。
特別拝観 十一面観世音菩薩
いよいよ、特別拝観へ。この特別拝観では、観音様の近くに行けるだけではなく、なんと触れることができるのです!!コロナ禍なので、薄い紙が用意されていて、その紙のうえから触れるようになっていました。
低い天井をくぐりぬけて、近くに行くと、お堂の中いっぱいいっぱいに観音様が納まっておられました。空間に余裕がないので、観音様のすぐ足元から仰ぎ見るしかないので、まずその大迫力に圧倒されます。目の前にある足も、とても大きく、そこに触れてもいいのですが、まさに足元にひざまずいて、観音様におすがりするような姿勢となるのです。これは心から拝んでしまいたくなるような雰囲気があるなぁ。
人もいなかったので、しばらく思い切り上を向いて、前や後ろに回って、様々な角度から拝観しました。右足にも左足にも触れてお参りしました。どうかコロナ禍がはやく収まりますように。
堂内には、他にもたくさんの仏像が置かれていて、中でも薬師如来坐像の脇侍の十二神将が、表情や動きが豊かで、見ていてとても面白かった。最後にもう一度、観音様を仰ぎ見てから本堂を出た。
初めて訪れたけど、とても素晴らしいお寺だった。今まで訪れていなかったのを残念に思うぐらいだった。また別の季節にも訪れたいな。特別拝観では、観音様とご縁を結ぶ五色線がいただけました。
最後に、長谷寺が掲載されている、みうらじゅんさんの見仏記をご紹介します。
今日のお昼は門前町で、柿の葉寿司はどう?
いいねー。デザートには、吉野葛が食べたいな。