不登校高校生の転校先を選択しよう② その単位、諦めないで!!権利をフル活用する方法

高校不登校からの転校編
みろっく
みろっく

とりあえず「消極的選択」をして、私立の通信制過程単位制高校に見学に行くことになったよ

あしゅりん
あしゅりん

おお!

よく見に行く気になったね

みろっく
みろっく

そうなのよ

とりあえず動いてくれて良かったよ

見学や進学相談会に参加してみよう

さて、消極的選択で見学の高校を決め、ゴールデンウィークあけに見学に行くところまでこぎつけました。

私的には、「やっと見学する気になったか」という気持ちだったのですが、スクールカウンセラーの先生や高校の先生は、「もう少しかかるかと思っていましたが、よく見に行く気になりましたね。よかったですね。」と言われました。

それぐらい、不登校になると、動き出すまで時間がかかるということですね。

お子さまが動く気配がなく、葛藤、心配、焦りで苦しい思いの保護者の方もいらっしゃると思います。私もそうなのでお気持ちわかります。

ですが、その苦しみから逃れようという気持ちが勝って、お子さまを急かしたり、過度に口出ししたりはしないほうがいいかと思います。お子さまのことを考えると苦しいなら、好きなことをしたり、おいしいものを食べたり気分転換を上手に行って、やり過ごしてください。応援しています。

この記事は、お子さまが動けるような状態が訪れた時の参考にしていただけると幸いです。

決して「こうしなければならない。」というお気持ちで読まないようにしてください。保護者さまやお子さまを追い詰めたり、急き立てたりしたくありません。あくまで、「こんな事例もあるんだ」と参考にしていただいて、安心材料としていただけることを願っています。

転入手続きの中でしか得られなかった情報もあり、お役に立つ内容かと思いますので、どうぞご覧ください。

「転入」だと随時入学可能です

オクサレさまの見学先の学校は、愛知県三河地方にある私立の通信制過程単位高校です。大学や全日制高校、専門学校など有する学校法人が運営しています。

こちらは、学校説明会や個別懇談会を定期的に開催しています。随時、個別に説明もしていただけるようです。こちらへの出願条件が、「入学相談を受ける」ことなので、予約をして、見学&入学相談を受けるといいと思います。

退学はちょっと待った 「転入」のほうがお得です 

こちらの高校は、現在高校に在籍している子が転入する場合、出願を随時受け付けていると言う、オクサレさまにとっては「渡りに船」的なところです。しかも、入学時期も随時なんです。

ちなみに、高校を退学してから入学する「編入」となると、出願期間は、春か秋で、入学時期は、4月か10月となります。

子どもはいつ動き出すかわかりません。その時が来たら逃したくないですもんね。いつでも転入できる状態をキープしておくことは、随時出願も可能になるわけですから、自由に動ける幅が広がることになります。大きなメリットだと思います。

ですので、不登校になっても安易に退学したりせず、まずは落ち着いて戦略を練りましょう。

やめるのはいつでも出来ます。そして、留年はしますが、自分からやめると言い出さない限り簡単に退学にはなりません。

せっかく在学してるのですから、その権利をフル活用しましょう。在籍校が公立高校なら授業料も無償化されてますし、籍を置いておくコストも少なくて済みます。

ほかのメリットとしては、例えば、公立の通信制である刈谷東高校は、「愛知県の公立の全日制に在籍している生徒」という条件はありますが、秋の入学の募集があります

該当のお子さまは、春まで待たなくても受験できるので、これもメリットですね。

単位が取得できず進級ができないときでも対策はあります

オクサレさまは、不登校になったのが年明けだったので、1年生の年度末のテストだけは受けて、補習授業に出席して、なんとか1年生の単位を取得して進級することができました。

でも、テストを受けられず単位が取得できないため、進級できない場合もありますよね。

こうなると、また同じ学年を最初からやるのは難しいし、高校はやめちゃおうって思いますよね。

でも、そういう場合でも、ちょっと待ってください。

オクサレさまが見学した高校は、臨時授業を受けることにより単位が取得できるという制度がありました。

この制度で取得できる単位数は少ないですが、「1年間ゼロ単位で終了してしまった」という事態を避けることができるので、次年度以降にしっかり単位を取得すれば、3年間で卒業が目指せます。

高校を1年生でやめてしまうとゼロ単位確定で1からの再スタートになり、卒業までのハードルあがります。でも、こちらの制度を使えばそれが軽減されます。

ただし、この制度を利用するためには、遅くても1月末ごろまでに、こちらの高校の転入試験を受けている必要があるようです。

ネットには書いてないようですが、資料請求したり、個別相談をすると詳しい情報が得られます

このような情報が得られることがありますので、お子さまが不登校になり、しばらくしっかりと落ち込んだら、次の可能性のために動いてみてください。道が見つかるかもしれません。

見学&入学相談

さて、予約した日は、電車で行きました。通うことになったら電車通学なので、練習をかねて向かいました。

高校の校舎は、最寄り駅から近い、こじんまりしたビルでした。

当日は、普段着で行きました。

説明してくださった先生から、「不登校はいつからか?」「どうして学校に行けないのか?」は聞かれました。

オクサレさまは、「なんとなく行けなくなって・・・高校でやりたいこともないし、つまらない。学校にいるのがつらい。」というような返事をしていたと思います。

ふんわりした答えですが、突っ込まれはしませんでした。何か明確な理由がある場合は、話せる範囲で話してもいいと思います。

学校のシステムや特徴の説明

続いて、先生から高校の説明がありました。

  • 高校卒業資格は全日制と同じ。
  • 午前と午後の授業があり、どちらか選ぶ。両方は選べない。
  • 通学は通常、週2,3日になる。
  • 在籍校の取得単位はほとんど反映可能。
  • 開講している授業を自由に選んで、卒業に必要な単位をとっていく。
  • 授業出席と課題提出が必要。しかし、課題も授業内で行うので自宅でやる必要はない。
  • 一単位9000円。就学支援金が使えるから約半分程度にになる。
  • 必修は必ず取るが、最小限の74単位を目指す。全日制だと90単位ぐらい取るので少ない印象だと思う。 在籍校ですでに必修分を取得済みなら、苦手な科目(オクサレさまなら数学)はやらなくていいことになる。
  • 体育は必修で毎年授業を受けると決まっているが、内容はバドミントンのみ。付属の大学の体育館で行う。服装自由。
  • 授業は前期と後期に分かれており、期ごとに単位認定。前期後期も前半後半とわかれていて、2単位の科目は前半後半ごとに単位認定できる。
  • ちょうど6月10日から前期後半の授業がはじまる。そこから通学すれば区切りもいいし、単位もいくつかとれる。今から転入してがんばって通えば、他の同級生と同じく3年間での卒業はじゅうぶん可能。
  • 夏休みは、7月中旬から10月中旬まで。春休みも2月中旬から4月中旬までと長期。好きな事やアルバイトに時間が使える。
  • 例えば前期通しての科目だと10回授業があるが、3回までは休んでも大丈夫。遅刻しても10分までなら認めるので、すぐに諦めずに頑張って通学すること。
  • 服装自由。髪形自由。化粧自由。
  • 選んだ授業の日時にきて、決まった席に座り授業うけるスタイル。大学とか塾みたいなイメージ。
  • 行事がなくて、クラスもない。部活もない。そういう高校生らしいことが目的の人は向いていない。

いくつか質問もしてみました。

朝起きるのが苦手なので、午後の授業がいいのですが?

A.現状、午後は定員いっぱい気味。午後は、午前より少人数でやっており、人と距離がとりたい子どもたちが多い。公立高校に比べると1時間目の開始時間も遅いし、2時間目からの授業を取れば午前でも大丈夫ではないですか?授業自体も週2,3日なので、公立高校に通っていたなら問題なくできると思います。

入学試験はどんな問題がでますか?

A.公立高校に入学したなら問題なく解けるレベルだと思います。面接で、志望動機や転入したらどのように過ごしたいかなど、前向きに答える方が大切です。

最後に、施設内を見学させていただき、入学願書をもらって終了となりました。願書の書き方、必要書類の説明もありました。願書は、この入学相談で渡されることになっているようで、郵送は無いように思いますが、例外もあるかもしれません。

見学後の感想

オクサレさまは、授業内で課題も終えられること、夏休み春休みが長いこと、週に2,3日でしかも半日で済むこと、など全日制に比べて通学のハードルが低いところが主に気に入った様子でした。

もともと帰宅部で、行事も面倒だと思っているので、それが無いことはデメリットにはならないようです。

「なんか通えそうな気がするわ」と言ってました。

保護者の感想としては、本人が悪い印象を持たなかったことにまずはホッとしたところと、「通えるかも」と前向きな返事が聞けたことは嬉しく思いました。

ひとまず、オクサレさまは好印象だったということですが、保護者の感想としては、いろいろ思うところがありました。

  金額面

  • 受験料は6000円、入学金は20000円、施設利用料20000円。最初にかかる学納金としては他に比べて安い印象。
  • 指定の制服、体操服もなく、教科書も本体だけで、副教材ないから、全日制に比べて初期費用、教材費も安い。
  • 通信制でも週に何日かは通わせたいと思っているが、通学がたくさんある過程のわりには学費が安い。

  学習面

  • 通信制は、登校日以外は、自宅で課題を計画的にこなすことが必要。しかし、ここでは、課題のプリントも授業中に完成できるように指導してくれる。自宅学習を一切しないうえに、提出課題を出し忘れる、期限を守らないが通常運転のオクサレさまにとっては、ありがたい。
  • 課題を学校で指導されるので、課題をやったのか?期限までに出したのか?これらを親が確認することによって生じる、親子の軋轢を避けることができる。親子のストレスが軽減できる。
  • 勉強内容がものすごく簡単そうに感じたが、大丈夫だろうか?ただ、オクサレさまは、現状でもまったく勉強をしておらず、これからも勉強する気持ちはないとのこと。それならばどこで学んでも結果的に同じと言えるかもしれない。

  環境面

  • どのような子たちが通っているのか、見学だけではわからなかった。トイレに「校舎内でタバコ吸うな」の張り紙があった。年齢が上の人もいるので未成年とは限らないが、心配な点ではある。
  • クラスがないので、友達ができるのか?学校になじめるか?心配。
  • 午後クラスはいっぱいで、午前クラスをすすめられたが果たして起きられるか?遅刻せずに行けるか?現状、昼間すぎまで寝ている生活なので心配。本人の意欲次第だが怪しい。
  • ベテランの先生ばかりのようにお見受けした。再雇用かも?若い先生はいないように思う。

  その他

  • 本人は大学などへの進学を望んでいないが、もしも気が変わった場合、成績次第では系列校へ進学できる可能性があるかもしれない。
  • 高校名だけ見ると普通の名前なので、通信制かどうかわかりにくい。世の中には、まだまだ通信制の高校に偏見を持っている人も一定数いるだろうから、余計な先入観をもたれなくて済みそう。

その他、オクサレさまにはあまり関係がないけれど、考えられる点をいくつか。

例えば、本格的に朝が起きられないという子の場合は、午後の授業が受けたいですよね。

午後は定員がいっぱい気味と言われたましたが、たぶん、通院しているとか、何かどうしてもという理由がある場合は、入れてもらえるかもしれません。そこは、相談次第かなと感じました。

また、通うことや人と会うことをなるべく少なくしたい場合は、こちらの学校だと他の通信制に比べて通学も必要になってくるので向かないかもしれません。同じく、学校までの距離が遠い場合も、通学が大変かもしれませんね。

他には、中学までの学力に自信が無かったり、中学校にあまり通えてなかった生徒さん向けに「学び直し講座」があったり、大学進学のための基礎学力がつけたい生徒向けの「進学講座」もあるので、ご希望がある場合には利用ができます。

分析、検討の結果

見学も終わり、オクサレさまには、

「公立の通信制も秋からの転入があるし、他の高校でもいいし、もっと見学したいという希望があれば教えてください。もちろん、今回見学した高校に決めるならそれでもいいです。

今の高校に戻る気も無いなら、ずっと家にいても何も進まないので、転学して再スタートしたほうがいいと思うよ。どうするか考えて、また教えて。」

と伝えました。たぶん、真剣に考えないだろうと思いましたが、それだけ言って様子を見ることにしました。

親の転学先決定の判断材料としては、

  • 本人が通ってもいい、続けられそうだと思えること
  • 週に数日は通学できること、家から近いこと
  • 高校卒業資格取得までのハードルが高くないこと
  • 学費が高額でないこと

これらがメインとなります。

見学した学校は、すべて当てはまっているように思います。もちろん通ってみないとわからない部分もあり、不安もあるのですが、オクサレさまのような性格やタイプには合っていると思えました。

ちなみに、重視するポイントは、各ご家庭でそれぞれだと思いますので、見学前に決めておくと、判断する時に役に立つかと思います。

私としては、もしも、オクサレさまが通学したいと言えば、見学した高校に決めようと思い、本人の回答を待つことにしました。

しかし当然ながら、2週間程度が過ぎても、何のリアクションも発言もありません。予想していたこととはいえ、前期後半の授業から受けるなら、そろそろ決めて入学試験を受けないといけないのに、どうしたものか?と、さすがに思いはじめていました。

そこへ、在籍している高校から連絡があったのです。

欠席過多で留年アラートが黄色信号なので、学校へ呼び出されたのです。本人が難しいなら保護者だけでもいいと言われました。

本来なら残念なお知らせなのですが、実はこれが、良いきっかけになるのでは!と思いました。

早速オクサレさまにも事情を話し、「担任の先生に、転学したいと言ってしまっていい?受験に必要な書類も作ってもらわないといけないし。」と聞きました。

「他に行きたいところがあるなら別だけど、見学した高校でいいなら、話を進めるよ?」と踏み込んでみたら、「いいよ。」との返事がきたのです。

またも、「消極的選択」とはなりましたが、オクサレさまも、行かない高校に在籍しているよりも、次へ進もうと思っていることは確かです。

こうしてやっと、見学した高校へ転学するべく動き出すことになりました。

今回のポイント

次の転入先の見学は、本人の気力、意欲が向上してからにしましょう。動けたときのために資料や情報集めはどんどんやりましょう。

諦めてすぐに退学するのは得策ではありません。在籍したまま転入をしたほうが、編入よりも有利です。単位取得がまったくできそうにない時でも、解決策がある場合もあります。退学するより前に、先々のシミュレーションや戦略を考えましょう。

転入したい高校があったら、見学や進学相談に行ってみましょう。HPやパンフレットではわからない情報を聞くことができます。高校が、お子さんに合っているかどうか、保護者の重視するポイントに合っているかどうか、検討するための材料を集めましょう

転入先は、お子さま自身が通いたいところ、決めたところが理想ですが、本人が決められない場合は、「消極的選択」で決めてもいいと思います。何か動き出すきっかけが見つかると話が進みやすいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました