いよいよ受験シーズンだよね?
進路選びは、ほんとうに悩ましいよね
周りを見て、焦りがちだしね
今回は、通信制以外にも、「高等学校卒業程度認定試験」の情報もあるよ
受験シーズン到来
定時制・通信制の受験日程 2022年度(令和4年度) 愛知県 公立
いよいよ受験シーズン到来ですね。
愛知県公立高校の受験日程は確認されましたか?中学校でも、進路説明会とか、懇談会とか行われるシーズンですので、お耳に入っているかもしれませんね。
公立の定時制・通信制の受験日程も発表されています。
別記事でも書いていますが、定時制・通信制の受験では、
前期選抜は、全日制課程一般入学および通信制課程前期選抜もしくは定時制課程前期選抜との併願はできないので、注意が必要です。
公立の場合、前期選抜においては、全日制か定時制か通信制か、どれかひとつを選ぶことになります。
前期選抜が不合格の場合は、後期選抜を受検することができます。
中学の先生から聞いた話では、最近は、様々な理由から定時制を選ぶ子も多いそうで、例えば、公立の刈谷東高校も年々倍率が高くなっているそうです。前期選抜で、定員の8割が決まるそうです。
そんなわけで、後期選抜はとくに、全日制の不合格者も受験するので高倍率になりがちだとのことです。
ただ、今年度の入学者は割と少な目だったようです。オクサレさまの転入先として刈谷東高校を調べている時に、先生から伺ったところでは、「転入の募集定員にかなり余裕がありそう」とのことでしたので(転入は定員に余裕がないと募集しない)。
説明会はまだ間に合います
最近になって、定時制や通信制に志望先を変えたんだけど、説明会って終わっちゃってるよね?どうしよう・・・
いえいえ、大丈夫です。
公立でも、年明けにも説明会が設定されている高校もありますので、もし進路としてお考えなら参加されてはいかがでしょうか。
私立の通信制ならば、説明会も複数回チャンスがありますし、個別説明会を設定している高校もあります。試験も学校によって様々です。資料を取り寄せるなどして受験準備をすすめられるとよろしいかと思います。
試験においては、学力よりも、作文や面接における前向きな発言や態度が大切だと思います。入学後何をやりたいとか、将来こうなりたいから高校ではこのように過ごしたいとか、特別な事でなくてもかまわないので、何かしらポジティブな姿勢が見せられるといいですね。
高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験) 新たな取り組み
たとえ受験できなくても焦らずに
世の中は、受験シーズンですが、そもそも受験するという状況にないよ、という方もいらっしゃるでしょう。
ご心配、ご心痛、察するに余りあります。
かといって、首に縄をつけて連れて行けるわけでもないですし、本人が動かないのならどうにもできないですよね。
同じ年の子たちが次の進路に向かって進んでいるのを感じているお子さまも、心中は苦しさが増しているかもしれません。
通信制の場合、ブランクが空いていても受験可能なところも多いですし、どうしても同級生と同じ時期に受験しなければならないというわけでもありません。オクサレさまのように、途中で行かなくなる場合もありますし、みんなと同じように入学したとしても、先はどうなるかわからないのです。
この時期受験できなかったからといって、親子で責め合って、傷つけあって、余計に関係が悪化することがないようにと願うばかりです。
そこで、親御さんの安心材料のひとつとしてお伝えしたい情報が、「高等学校卒業程度認定試験」です。
高卒認定試験について
高等学校卒業程度認定試験は、以前は「大学入学資格検定(大検)」と呼ばれていましたが、平成17年度よりこの名前に変更になりました。
大検という名前だと、大学の受験資格オンリーなイメージでしたが、実はそうではありません。
高等学校卒業程度認定試験は、様々な理由で、高等学校を卒業できなかった方等の学習成果を適切に評価し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験です。合格者は大学・短大・専門学校の受験資格が与えられます。また、高等学校卒業者と同等以上の学力がある者として認定され、就職、資格試験等に活用することができます。
文科省HPより引用
オクサレさまもそうなんですが、「勉強は嫌だ、大学なんていかねー、専門学校がいい」というお子さまもいらっしゃいますよね?高卒認定を受ければ、専門学校の受験資格が得られます。もちろん、大学進学も可能です。
さらに大切なのは、「就職、資格試験等に活用することができます」の部分です。
高卒認定では、高等学校卒業者と同等以上の学力がある者として認定されますが、いわゆる「高卒」にはなりません。学歴で言うならば、高卒認定を受けても「中卒」です。
就職する場合は中卒扱いとなり、職業選択の幅が狭まる。
高卒認定を受けたって就職で有利にならない。
高卒認定は進学する子がうけるものだから、就職希望の場合は、なんとしても学校に行かせて高卒にしなければ・・・私はずっとそう思っていました。
ところが、最近は違うようなのです。
文科省の高等学校卒業程度認定試験のパンフレットでは、以下のように書かれています。
高卒者を募集する場合は、高等学校卒業程度認定試験合格者も同等として扱い、採用機会を増やしてほしいと企業に依頼しているようです。
パンフレットでお願いしているということは、まだ企業の認知度は低いと考えられますが、今後このような方向に向かっていくのではないでしょうか。
現状、この施策がどのていど実際の採用現場に浸透しているかどうかは不明ですが、「就職希望だから高卒認定なんて必要ない」というのは、もったいない気がします。また、何が何でも高校に行かせて卒業させなければ!と思いこまなくてもいいと思います。
高卒認定をとれば、応募要件に、「高卒」以外に「高校卒業程度の学力を持つ者」との記載がある企業へ応募することが可能となるのです。就職の幅が広がる気がしますね。
また、もうひとつ大きい点として、「国家資格や採用試験が受験できるようになる」という点です。
こちらをご覧ください。
高卒と同等とみなして受験できる資格や採用試験がたくさんあるのです。高卒認定は、就職希望であっても、利用価値が高いということです。
学力に不安がある
高卒認定は、8月と11月の年2回チャンスがあります。一回の試験で全科目合格する必要もありません。
試験科目も少なく、試験内容も難しくはないと聞きます。
しかし、今まで勉強の機会を逃してしまっていた場合、高卒認定を受けるだけの学力を自力でつけられるのか??心配ですね。
そういう場合は、不登校、引きこもりの相談を受けている公的機関に相談されるといいかと思います。不登校の学習支援をしているところを教えてくれるはずです。
一例として、「若者サポートステーション」はご存じでしょうか?
こちらは厚労省が全国に設置しています。
地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)では、働くことに悩みを抱えている15歳~49歳までの方に対し、キャリアコンサルタントなどによる専門的な相談、コミュニケーション訓練などによるステップアップ、協力企業への就労体験などにより、就労に向けた支援を行っています。
サポステは、厚生労働省が委託した全国の若者支援の実績やノウハウがあるNPO法人、株式会社などが実施しています。
「身近に相談できる機関」として、全国の方が利用しやすいよう全ての都道府県に必ず設置しています(全国177箇所)。
厚労省HPより引用
わたしの地域のサポステは、対象者が、「若年無業者等で就職を目標とする人とそのご家族」となっていますが、「6カ月以内に卒業予定で就職未内定の方、定時制または通信学校に通われている方は利用対象」となります。もちろん、中学や高校を卒業後、進路が未定の方も対象です(各地域で対象者が違う可能性がありますので、HP等でご確認ください)。
サポステは、就職サポートがメインですが、高卒認定に向けた学習サポートも行っているNPOが運営しているところもあります。不登校生の学習に対しての経験が豊富だったりするので、そういった場所をうまく利用されるといいのではないでしょうか。
ご本人だけでなく、家族だけでの利用も可能ですので、相談先のひとつとしておすすめします。
相談料は無料です。
高等学校卒業程度認定試験合格支援事業(給付金)
ひとり親家庭の場合は、条件は厳しめですが、高等学校卒業程度認定試験の合格を目指す講座(通信制講座を含む)受講における給付金もあるようですので、ご紹介します。
金額的負担が軽減されるのは嬉しいですね。
2年以内に高卒認定全科目合格など条件ありますので、H30支給実績は46人・・・少ない印象ですが、こういう施策もあるということをお知らせしますね。
進学後の費用について 高等教育の修学支援新制度
たとえ進学できたとしても、その後の費用が心配。
高等教育はお金がものすごくかかるので、心配は当然です。奨学金(いわゆる借金です)を若者が背負うことになり苦労しているというニュースをご覧になった方もいるのではないでしょうか。
その点についても、国が令和2年4月から高等教育の修学支援新制度を実施しています。
特設HPがありますので、ご覧ください。対象の機関(大学等)の検索もできます。
文科省のHPのまとめ資料も引用します。
各大学などが独自で支援策を講じているところもあります。最初から諦めずに、該当の支援制度はないか探してみてはいかがでしょうか。
肩の力を抜きましょう
いかがだったでしょうか。今はいろいろな制度や教育機関が揃っていますよね。そういうことがわかるだけでも、すこし心が軽くなりませんか?もし、そうだとしたら、うれしいです。
オクサレさまも、転入先の高校をちょくちょくサボるので、イライラもするし、卒業までたどりつけないかもしれないという不安もありますが、高卒認定の話など伺って、「たとえうまくいかなくても、別の道があるじゃないか」と思うことができました。おかげで少し心が軽くなりました。
今は、不登校のまま卒業し、受験もしないような状況だったとしても、
通っていた高校をやめてしまったとしても、
それで将来が決まってしまうわけではありません。
不登校という辛い現実をすぐに変えることができる魔法は、残念ながら存在しません。でも、情報を集めたり、相談したりすることで将来の不安が軽減したり、気持ちが楽になることはあります。
親御さんが悲観しすぎず、肩の力を抜くこと。
これは、お子さまにも必ず良い影響があります。
親子ともども、もうダメだと、追い込んだり、いがみあったりは避けたいですよね。
心配なお気持ち、痛いほどわかります・・・が、いったんその心配を横に置いてみませんか??
まずは、親御さんの心と頭を緩めることが先決です。それから、情報収集などに動き出しましょう(情報は集めるだけにして、いざという時に使えるようにしましょう)。
そうすれば、ご自身の不安のあまり、子どもに無理をさせることが減ります。
将来のことより、ぜひ現在のお子さんを焦らず見守ってください。
お子さんを見ても、お子さんたちの抱えている本当の苦しみは、理解出来ないことがほとんどかもしれません。ですが、それでいいと思います。親からのプレッシャーが減れば、お子さんも楽なことは間違いがありません。
とはいえ、毎日、逃れられない辛い状況は続きます。特に受験や進学シーズンは、自分を追いつめすぎずに頑張りたいものですね。
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