東京へ行きたいって言っていたオクサレさまだけど、
結局どうなったの?
ゴールデンウイーク前に急に行くことにしたみたいで、出かけたよ。
深夜バスで。
スマホと小さいリュックだけ持って行ったけど・・・泊まるつもりなのかな??
「やってみたい」「行ってみたい」のエネルギー
秋葉原に行ってみたい
オクサレさまは、オンラインゲームがお気に召していらっしゃいますが、それに付随するゲーミングPCやらモニターやらマウスやらにもご興味がおありです。
そんなわけで、オクサレさまは秋葉原へ行きたいと、少し前から話すようになりました。
それを聞いて、凡人の私はどう思ったか?
「いやいや、学校行ってないのに、東京行きたいって、何言っちゃってるのかしら。わがまますぎでしょ。」
「東京行くお金は、親からもらうつもりなんだよね?贅沢だわ。バイトでもして自分でお金貯めて行けばいいじゃん。」
口には出していませんが、内心こんな風に思っておりました。
しかし、それは偏った見方でした。
他の記事にも書いてますが、スクールカウンセラーの先生によれば、「やってみたい」「行ってみたい」と思えるようになったこと、それを実行に移せるということは、自分で動けるエネルギーが出てきたということになるので、大変喜ばしい状態ということになるわけです。
目からうろこって、こういう時に使うんですね。
危うく、子どもの出来ないところばかりに目がいってしまって批判的になり、子どもの動き出そうとする活力を削いでしまうところでした。
そんなわけで、オクサレさまの「ひとり修学旅行」をサポートしてあげることにしました。
スクールカウンセラーについては、こちらに書いています。
いつもギリギリ
「東京行きたい」と言いつつ、行動に移す気配のなかったオクサレさまですが、長すぎる春休みにも飽きたのか、ゴールデンウイークの少し前に本格的に行く気になったようです。
「明日行こうかな?東京まで新幹線だとどれぐらいかかるの?」などと聞いてきました。
オクサレさま、高校生のご身分で、新幹線で行けるとお思いでしょうか?私などは、ディズニーランドは社会人でも深夜バスでしたが??
しかも、「行きたい」と言いつつ、何にも調べていないじゃない。また、丸投げかいっ。何でもギリギリに言ってくるんじゃないわよ。
すでに心中おだやかではございませんが、そこはカウンセラーの先生を思い出し、サポートに徹することにしました。
結局、オンラインで、深夜バスを予約しました。最近のバスは、席もネットで指定できるし、3列シートだし、仕切りのカーテンなんかもあって、昔よりずいぶん快適そう。
オクサレさまに、オンラインチケットを転送。なくなく、お小遣いも渡しました。
オクサレさまは、小さなリュックにスマホと財布をもって、お出かけになられました。
泊まるのか?いつ帰るのか?は、「わからん」そうです・・・。
一昔前なら、そんな状態で東京行くなんて、心配で仕方ないと思うのですが、今はスマホで連絡も取れますし、泊まるとなればオンラインで予約してあげればいいですし、お金もPayPayに送金可能です。
まして男子ですし、ごちゃごちゃ言わないことにしました。
それにしても「上京」感も薄くなったものです。
東京を満喫
いつもは、こちらのLINEを既読スルーのオクサレさまですが、東京からはたくさんLINEが来ました。
目当てのお店に行ってパソコン周りの機器を見て回ったり、おいしそうなラーメン屋さんに入ったり。事前準備ほぼゼロでも、スマホで調べて、それなりに楽しんだようです。
そして、夕方。
「夕方になってきた」「どうしよう」とのLINEが来ました。
さすがはオクサレさま、今回もギリギリまでノープランのようです。
泊まりたいというので、ここからお互い宿探し。オクサレさまが提案したのは、安いけど、カプセルホテルとかドミトリー。ドミトリーを知らなかったので、説明すると、「それは嫌だ。個室がいい」とのこと。
ビジネスホテルのシングルが安かったので、決めました。なくなく、オンラインでクレジット決済。無事、その日の宿を確保できました。
親は旅行代理店ではありませんが?
翌日も、銀座や渋谷に行ったり、買い物したり、楽しく過ごしたようです。
そして、午後。
「疲れたから今日帰る。バスを取って。」とのご依頼。
私は、旅行代理店か!!と言いつつ、なくなく、夜行バスを手配。
帰りのバスの時間まで、東京の漫画喫茶に入って、シャワー浴びたり、腹ごしらえしたりして過ごしたようです。
翌日、無事に帰宅。本人は、PCマイクとか、マウスパッドとか買ったようです。いちおうコキ使って申し訳ないと思ったのか、東急ハンズで買ったハーバリウム入りのルームフレグランスをお土産にくれました。
日ごろインドアでゲームばかりしているので、歩き回って疲れたようですが、気分転換にはじゅうぶんだったようです。深夜バスなら、思ったよりも簡単に東京に行けること、一人でも旅に出られることなど実感できたようです。
今がチャンス 単位制高校の見学予約
次のステップへのチャンスがきました
さて、東京から帰って、ご機嫌のよいところを見計らい、単位制の高校の見学を予約したと伝えました。ゴールデンウイーク明けに予約が取れたから一緒に行こうと話をしたら、「わかった」との返事でした。
このことは、急に言い出したわけではなく、前々から投げかけていました。
「今の高校行ってないけど、どうする?留年する?転校する?」などと折を見ては聞いていて、「好きなようにしていいけれど、あなたの大事な将来のことなので考えておいてね。」と伝えていました。
「うーん、どうしよう」「また、考えとく」と言って、本人もどうしようか決めかねていたようだったのですが、最近では「今の高校は通えないから、転校しようかな」と言い出していたのです。
前から、スクールカウンセラーの先生のアドバイス通り、通えそうな高校の資料を取り寄せたり、ネットで調べたりしていました。
それが今、役に立つときが来ました。
私は、前の高校の単位が認められて、授業の自由度が高く、服装も自由で、比較的近くて通いやすい、私立の単位制高校を予約していました。
対抗馬としては、公立の通信制なのですが、こちらは前に見学したことがあったのと、私立に比べて、自律してやる部分が多いように見えたので、サボりの才能に長けているオクサレさまでは、きちんと課題が提出できるか不安があったのです。
そんなわけで、私立の単位制高校に一番初めに見学に行くことにしました。
高校の探し方についての詳細はこちら
高校の選び方についての詳細はこちら
おすすめのパワーワードがあります
ちなみに、「あなたの大事な将来のことなので・・・」のフレーズも、スクールカウンセラーの先生の語り口を真似しています。
「どうしたいの?」と聞くだけでは、焦らせるだけで、「親がさっさと片付けたいと思っている」と勘違いをさせてしまうかもしれません。また、「あなたのために言っている」も、押しつけがましく受け取られたらアウトです。
でも、「あなたの大事な将来のこと」などの言葉を織り交ぜると、あなたを心配しています、大事に思っています、一緒に考えたいと思っていますということが、じわじわと伝わると思うのです。
また、時に親は、親自身のために「不登校を解決したい、苦境から解放されたい」と思って行動することがあります。親自身に、そのつもりが無くてもです。無意識にそうなっているときがあるのです。それを子どもは察知します。伝わってしまうのです。
そんな時に、「あなたの大事な将来のことなので」と言うと、親自身も、自分自身がかわいくてやっているのか、子どものためを思ってなのか、今一度、自分に問い直すことができると思います。
これはおすすめのフレーズです。一見なんでもないようですが、かなりのパワーワードだと思っています。使ったことがない方も多いのではないかと思います。一度使ってみてはいかがでしょうか。
オクサレさまの迷いが消えたようです
少し前まで、見学に行ってもいいと言う日が来るなんて思ってもいませんでした。
それは、オクサレさまも同じだったと思います。
実は、オクサレさまは中学校でも不登校の時期がありました。それでも、嫌々ながら頑張って通いました。中学校で不登校になると、留年はしませんが、内申点に響いて希望する公立高校の受験は絶望的となるからです。
愛知県のことしか知りませんが、この地方は内申点至上主義で、出席、提出物、授業参加、テストなど、一分の隙もない完璧な生徒が高い内申点をもらえます。
そのうえ、服装チェック、頭髪チェックもいまだ細々と実施しており、校則にない、理由が判然としないきまりを作っては、生徒を窮屈に管理するという50年以上前から続く伝統をかたくなに守っております。
当然、この伝統に馴染める子は先生から高評価です。内申点を人質に取られているから、生徒は大人しいものです。先生の顔色を伺ったもん勝ちだと、聡い子どもたちは気づいているので。
半面、それに馴染めない子は息苦しい生活となりますね。時には反抗したりします。反抗と言っても、ささやかなものです。校舎の窓ガラス壊して回ったりしないですから(笑)
髪が少しだけ耳にかかっているけど切らないとか、授業中に寝ているとか、その程度です。でも、先生からは低評価なので内申点も低くなります。
オクサレさまも、そんな学校が好きではなく、先生からも低評価でした。でも、家から一番近い公立高校に入るため、本人なりに頑張って通学して、受験もしました。低い内申点を当日点でなんとかカバーした感じでした。
本人としてはギリギリ飛べたハードルだったのでしょう(今思えば、親も公立へ行きなさいというプレッシャーを与えてしまっていたかもしれません。良かれと思ってだったのですが、反省です)。
しかし、せっかく入った高校に通えなくなってしまった。本人も「嫌いな中学も頑張って通って、せっかく入ったのに」「やめたらもったいないよね」という気持ちがあったのだろうと思います。
だから、いろいろ考えて、迷って、前に進むに進めず、ずっと留まっていたのだと思います。誰だって、頑張って手に入れたものを捨て去るのって勇気がいりますもんね?その選択が正しいのかも不安ですし。迷って当然です。
でも、時間とともに、気持ちの整理がつき、「やはり今の高校は通えない」「ほかの高校に行こう」というところに気持ちがたどり着いたのだと思います。
オクサレさま自身、「今の高校にいてもどうせ勉強しないんだし、どこに行っても一緒。なら卒業できそうな高校に変わった方がいいような気がする。」と言っていました。
おいおい少しぐらいは勉強しなよ、と思いつつ、現状で立ち止まっているよりも、いったん捨てて(リセットして)前に進もうとしているんだなと感じました。
久しぶりに明るい兆しが見えたような気がしました。
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