スクールカウンセラーの先生は、親が転校先の資料や情報の収集をしたほうがいいって言ってたんだよね?
どうやって探す?
田舎にも通える高校あるのかな?
オクサレさまが中学の時、ゲームがやりたいから通信制高校に行きたいって言い張ってたことがあってね。
その時、通信制高校を集めた説明会に行ったことがあるよ。
あと、公立の定時制も見に行ったことがあるし。
その経験が、ここで役に立つとは・・・
オクサレさま、中学の時から変わったルートがお好みのようで・・・
全日制、定時制、通信制・・・選択肢が多い時代です
高校には3つのタイプがあります
私が高校生だった、数十年前は、欠席が多かったら留年でしたよね?学年に数人、ダブっている人がいましたよね。でも、今は、留年する子は少ないようです。
留年以外の選択肢がたくさんあるため、そちらを選ぶ子が大半のようです。
転校先を探すにあたって、まず、高校にはどのような種類があるのか?基本的なことから調べてみましょう。
通常、ほとんどの子が進学するのが、全日制の高校ですね。いわゆる普通の高校です。オクサレさまも、公立の全日制高校に在籍しています。
高校は、大きく分けて「全日制」、「定時制」、「通信制」の3タイプがあります。
全日制はご存じかと思いますので説明は省略します。
定時制高校
定時制高校といえば、夜間に通うイメージがありますよね?昼間働いて、夜、定時制で勉強するイメージですね。
私が大昔に通っていた全日制の高校にも、夜間定時制が併設されていた記憶があります。
しかし、今は、夜間の他に、昼間の定時制が設けられています。
愛知県では、昼間定時制課程を城北つばさ高等学校、起工業高等学校及び刈谷東高等学校に設置しています。通常、4年間で卒業するのが一般的です。卒業資格は全日制課程と同じです。
ここでは、刈谷東高校に関して詳しくみていきます。まず、愛知県のHPから引用します。
県立刈谷東高校は、昼間二部制で、授業時間帯によって二つのコース(Aコース9時00分~13時00分、Bコース10時50分~15時20分)が設けてあります。出願時に希望コースを調査しますが、入学者選抜は一括して行い、決定したコースは原則として変更できません。また、併修により単位を修得すれば、3年間で卒業することもできます。
授業は1日4時間と短いですが、週5日通って、クラスわけもあるので、全日制に近いイメージです。
部活動もありますし、文化祭や修学旅行などの行事もあります。制服もありますよ。
刈谷東高校は、学年によるクラス編成を実施していて、学年で選択する科目がある程度決まっているようです。単位制なんだけれど、学年制のような運用ですね。
4年で卒業するのが一般的ですが、定時制課程に在籍する人には、通信制課程で一部の科目を履修し単位を修得する「定通併修」の制度があり、それを利用すれば3年で卒業することも可能だそうです。
原則として学年末に単位認定を行うとのことです。たとえば毎週2時間ある科目で1年間授業に参加し合格すれば2単位の修得となります。
単位制では、半期で単位が認定されたりする場合がありますが、こちらは学年末に認定とあるので、このあたりの単位認定方法も全日制に近いですね。つまり、1年間の、出席日数、テストの点数で総合的に判断されるということです。欠席もある程度はOKでしょうが、全日制と同等だとすると、1/3程度休むと危険水域と思ったほうがいいかもしれません。
入学試験は、前期試験が2月、後期試験が3月にあるだけなので、オクサレさまのように学年途中からの転入には対応していないようです。
どちらかといえば中学卒業してそのまま進学する場合を想定しているようですね
1日の授業数も少なく、遅い時間からはじまるコースもあるので、中学校で不登校だった子や、朝起きるのが難しい子にも比較的通いやすい学校ではないでしょうか。
入試ですが、前期選抜は、全日制課程一般入学および通信制課程前期選抜との併願はできないので、注意が必要です。つまり、全日制を受験する子は、刈谷東高校の前期選抜を受験することはできないということです。
前期選抜が不合格の場合や、全日制を合格できなかった場合は、後期選抜を受検することができます。
最近は、様々な理由から定時制を選ぶ子も多いそうで、刈谷東高校も年々倍率が高くなっているそうです。前期選抜で、定員の8割が決まるそうです。そんなわけで、後期選抜は、全日制の不合格者も受験するので高倍率になりがちだと、中学の時の担任の先生から聞きました。
ご興味のある場合は、HPを確認してみてください。学校説明会もあるので参加されるといいと思います。私が参加した時は、体育館いっぱいに参加者がいました。思ったよりも希望者が多い印象でしたよ。
ちなみに、定時制の費用ですが、全日制高校と同程度です。ここでは、公立の高校を例にしましたが、定時制高校にも公立と私立があり、卒業までにかかる学費は私立の方が高くなります。定時制高校でも「高等学校就学支援金制度」を利用することができます。
刈谷東高校の場合の学費は、以下の通りです。
定時制高校(例:刈谷東高校)
- 定時制とはいえ、週5日で、学年によるクラス編成、行事や部活もあり、全日制に近い雰囲気。
- 卒業資格は、全日制過程と同じ。
- 単位の認定は、1年間の、出席日数、テストの点数で、学年末に総合的に判断される。
- 基本的には、毎日通う。不登校だった子や遠方の子は、通えるかを判断したい。欠席過多になると、学年末に単位が認定されない可能性もある。
- 前期選抜は、全日制課程一般入学および通信制課程前期選抜との併願はできない。
- 学費は安い。制服があるので、その費用は必要。
通信制高校(公立)
また、愛知県のHPから引用しますね。
情報源として、国・県・学校の公式サイトなど、信頼できるサイトをまずは確認したほうが安心ですもんね。
通信制課程は、毎日通学することは困難であっても、高校卒業資格を得たい人たちのための課程です。県内には県立旭陵高校と県立刈谷東高校の2校があり、両校ともに普通科で、約2,500名の生徒が勉強しています。
この課程は、自学自習の学習が中心で、添削指導を受け、面接指導に出席し、試験に合格することによって単位を修得します。74単位以上を修得し、ホームルーム活動・学校行事などの特別活動へ参加することにより、卒業が認定されます。
肝心の卒業資格ですが、こちらも、定時制と同様、全日制課程と同等です。
今回も刈谷東高校の通信制の例を見ていきましょう。
まず、卒業要件は以下の通りです。
①高校に通算3か年以上在籍する。
②定められた必修科目をすべて履修し、それらをふくめて74単位以上習得する。
③ホームルーム活動,学校行事等の特別活動に一定時間数以上出席する。
通信制なので、主に自宅で学習して高校卒業の資格が取得できるようにな っています。
自宅学習をもとに、学習課題(レポート)を作成します。レポートは、決められた日までに提出して、添削指導を受ける必要があります。レポートの分量は週に2通~3通、年間におよそ60通です。
レポート1回分の課題は、B4判用紙1枚(両面)程度で、教科書の数ページないし20ページ程度の範囲から出題されるそうです。
面接指導(スクーリング)は、月に2回~3回、年間に27日~30日(面接授業18日、定期試験4日、学校行事等5日~8日)で日曜日に行われます。欠席者を対象に補充面接指導も実施されます。
面接指導日は、1日5時間(各50分)授業です。ホームルーム単位で授業を受けますので,同じホームルームに所属する人は同じ時間割になります(転・編入生は、過去に取得した単位によっては、時間割が個別になることがあるそうです)。
基本的には4年以上の履修期間を想定しているようです。ただし、通信制課程内での併修(補充面接指導に出席)や
高等学校卒業程度認定試験(高認)の合格科目の単位認定等によって、3年で卒業することも可能だそうです。
例年、新入学の前期選抜は2月、後期選抜は3月に行われます。転・編入学は、3月に選抜試験が行われます。
また、愛知県立高等学校全日制課程に在籍する人に限り、7月の転入学試験を受けることができます。合格すれば、9月から転入学できます。
気になる進級率ですが、刈谷東高校通信制のHPによると、
進級率は,1年生は約65%,2年生は約71%,3年生は約78%です。
4年生がその年度に卒業する割合は約86%です。
1年次に入学して3年後(3か年修業者)または4年後に卒業する割合は,約38%です。
また、卒業後の進路に関しては、
進学に関しては,出願手続の面で指導をしていますが,面接授業で進学指導的なことは行っていません。
毎年30人程度が,4年制大学,短大,専門学校等へ進学しています。進学者は増加傾向にあります。就職に関しては,卒業時に新規に就職を希望する場合に限り,就職の斡旋を行っています。
この数は,年に数人程度です。
学費ですが、入学料・授業料・学校徴収金等で年間約 18,000 円。その他、教科書・学習書は、購入代金として約13,500円、補助教材費として約2,500円、諸費用として約1,220円が必要です。
合計しても年間35,000円程度!月額ではないですよ。年額ですよ!!格安ですね。
通信制高校(例:刈谷東高校)
- 卒業資格は、全日制過程と同じ。
- 単位制だが、クラス単位で授業を受けるので、クラスメートと顔見知りになりやすい。
通信制には、様々な年齢、職業の人が通うが、最近は、仕事をしていない若者の比率が増えている。 - 自宅学習をして、期限までにレポートを提出する必要がある。自律して勉強する姿勢や自己管理の力が必要となる。
- 卒業後の進路に関しては、手厚いサポートを受けることは難しい。
- 学費の負担がとても軽い。
- 公立の全日制に在籍している場合は、年度途中の転入学試験が受けられる(不登校になってもすぐに退学せず、まずは先の進路を探してからの方が良い)。
通信制高校(私立)
ひとくちに私立の通信制高校といっても、それぞれの学校に特徴があり、数も多いので、選択肢がたくさんあります。
卒業要件は、公立の通信制高校のところで挙げた3つと同じですが、履修の仕方に学校の特徴が出ます。
例えば、愛知県の三河地方で言うと、愛知産業大学付属三河高校の通信制過程は、単位制であり、自分で時間割を選んで必要な単位取得を目指します。
したがってクラス分けが存在していません。必ず授業で同じ人と顔を合わせるとは限らないので、他の生徒とかかわる機会が少なくなりやすいです。
ある年に取得できなかった単位があっても、次の年に取得できればいいので、留年という概念はありません。
週に2、3日通って授業を受け、授業に関するレポートを提出します。対面型で、オンライン授業はありません。
午前コース、午後コースがあり、朝が苦手であったり、遠方から通う場合にも対応しています。
ほかには、N高校の名前を聞いたことがある方もいるでしょう。ゲームの大会で好成績を残したりしていますね。
こちらは、オンライン授業がメインです。年に数日間のスクーリング以外は、オンライン上で授業を受けて、課題を提出する形になります。通学の必要がないので、住んでいる場所に関係なく学習できます。
N高校でも、通学が選べるのですが、通学日数によって、授業料が高額になるようです。
また、このようなオンラインの高校だと、ひとりでは自宅学習をすすめられないケースも出てきますね。それを補助するのがいわゆるサポート校というものです。
ただし、こちらはいわゆる高校ではありませんので、単独では高校卒業資格は得られません。卒業資格は、サポート校と連携している通信制高校で取る必要があります。「塾」や「予備校」といった認識でいいと思います。サポート校はプラスアルファの役割で、その分費用もプラスとなります。
時間をより有効に使って、希望する難関大学の受験勉強や、やりたいスポーツに集中するため通信制を選び、サポート校で個々のレベルに合わせた学習を行う場合もあるようです。
最近では、ゲーム専攻やプログラム専攻など、専門的な分野に特化した高校もあります。得意なことを伸ばしながら高校が卒業できます。特にeスポーツができる高校は、ここ数年でたくさん増えてきました。
一見、同じゲーム専攻であっても、高校自体が卒業資格を出すところもあれば、通信制の高校とゲーム専攻機関が連携しているところもあるようです。私立ですし、費用が高くなりがちですので、どのような卒業資格が取れるのか、どのように認定されるのか、よく確認する必要があります。
また、部活として、eスポーツ部がある高校もあります。
通信制の私立高校は、地域に根ざしているところもあれば、オンラインで広域に展開しているところもあります。
また、4月の他に、10月入学を設けている学校もあります。転入の場合は、通年で随時入学できるところもあります。
通学スタイルも、授業方法も、費用も様々なので、資料を取り寄せて比較検討されるといいでしょう。
国内留学
変わったところでは、隠岐島や久米島の高校に進学するというものもあります。親元を離れて、寮での集団生活となりますが、新しい環境で、今までにない経験ができます。最近は、参加している高校がずいぶん増えました。
高校2年生の間、留学するというパターンもあるようです。
学年制と単位制
すでに学年制とか単位制とか書いておいて、今更の説明になりすみません。
学年制
まず、学年制ですが、全日制や定時制でとられている制度になります。
学年制では1年ごとに必要となる単位数が決まっていて、その学年に与えられた教科は、その学年在籍中にすべて修得する必要があります。すべての単位をその学年中に修得できてはじめて、次の学年に進級することができるのです。
そのため、単位を1つでも落としてしまった場合には、進級することができず、いわゆる「留年」と呼ばれる原級留置となります。留年すると落としてしまった単位だけではなく、他の単位も認定されません。そのため、その学年の学習をすべて、もう一度やり直さなければならなくなります。
単位認定は、年度末なので、1年間で、テストを受けなかったり、欠席過多で補充授業も受けなかったりする科目が1つでもあると、留年になり、せっかくテストを受けた単位があってもすべて認定されなくなります。
これ、私知らなくって。
オクサレさまが欠席過多で進級が危うくなった時、危ない単位だけ落とすものだと思っていたら、全単位認定されないと聞いてびっくり。
じゃあ、転校してもゼロ単位でイチからはじめないといけないじゃない!
単位制に行ったら、今年取れる単位分30単位×10,000円も必要になるじゃない!
やばい、ここは是が非でも進級してもらわねば!!
そう思った私は、「ここは、子どもの転校後のモチベーションのためにも、私の財布ためにも、是が非でも進級してもらわねば」と、学年末のテストやら補充やらを、必死になってどうにかこうにか受けさせたのでした・・・。
単位制
単位制は、主に通信制の高校でとられている制度です(全日制や定時制でも採用している高校もあります)。
個々の科目に対する学習成果を評価し、科目ごとに設定されている単位を修得します。在籍期間中に必要な単位を取得すれば卒業できるので、留年という概念はありません。
必修科目は決まっており、それを含めて74単位を取得することになっているので、留年はありませんが、その基準が達成できなければ卒業できません。在籍期間の上限が設けてなかったり、あっても6-8年だったりしますので、ゆっくり取得することもできます。
ただ、注意点がひとつ。
私立の通信制高校でも2020年(令和2年)4月からの制度改正により、授業料が無償化する世帯が大きく拡大しています。保護者の年収目安が約590万円未満の場合、1単位あたり最大12,030円まで。590万円以上~910万円未満の場合は、1単位あたり最大4,812円の支援が受けられます。
しかし、就学支援金には支給期間と支給額(単位数)に上限があるのです。通信制高校の場合、支給期間は48ヵ月(4年間)、在学中に合計74単位、年間では30単位までです。これらの上限を超えた分は自己負担となります。
ということは、留年がないからと在籍期間をむやみに延ばしてしまう、または、3年目にたくさん単位を取って帳尻を合わせようとすると、超えた分は支援が受けられず、1単位10,000円程度の費用は自己負担となってしまいます。単位は計画的に取得していった方が得策ですね。
ちなみに、文部科学省のHPを調べたところ、
休学した場合でも、就学支援金は支給され、支給期間も経過するそうです。休学で授業料が課されない場合は、支援金の額は0円になるのに、支給期間は経過してしまいます。休学の間は、支援金の支給を止めるように申し出ることができるそうなので、これを利用すれば、休学期間をカウントに含めないようにすることができます。
病気などで休学せざるを得なかった場合は、利用できる制度ですね。
ただし、卒業には最低3年間の高校在籍期間が必要です。休学中の期間は在籍期間に含まれないため、原則的には、休学すると留年します。不登校だからと、まだ進級の可能性があるのに、安易に休学すると留年が決定的となります。それがお子さんにどのような影響を及ぼすかわかりません。
動ける様子があるのなら、転校、転入のうえ通学すれば、留年せずに済み、支援金の支給も引き継げます。
動き出すまでにまだまだかかりそうだという場合は、休学し静養してから、復学なり転校なりを考えるのもいいかもしれません。
いずれにせよ判断は、お子さんの状況によって違ってきます。このあたりは何がベストかと考え、学校や先生方にも相談して慎重に対応する必要があるかと思います。
支援金の情報は、頭の片隅にでも置いておいて、お子さんに合った選択ができることを心から願っています。
学年制、単位制の注意点
学年制
その学年で取るべき単位を1つでも落としてしまった場合には、進級することができず、留年。留年すると落としてしまった単位だけではなく、他の単位も認定されません。
単位制
在籍期間中に必要な単位を取得すれば卒業できるので、留年という概念はありません。ただし、就学支援金には上限があり、通信制高校の場合、支給期間は48ヵ月(4年間)、在学中に合計74単位、年間では30単位まで。これらの上限を超えた分は自己負担となるので、計画的に単位を取得する必要がある。
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