紅葉とイケメン仏の旅
東寺に「立体曼荼羅」っていうのがあるんだって
その言葉だけでも惹かれるけど、
中にものすごいイケメンがいるんだよね
イケメンって、仏像だよね・・・
東寺は紅葉も有名だから見に行きたいね
紅葉の名所めぐり+イケメン仏の旅
2020年、コロナ禍で低迷した経済政策の一環で、GOTOキャンペーンという企画が行われていました。旅行代金が実質半額になるというお得なキャンペーンで、利用された方も多いのではないでしょうか。
政府が後押しすることにより、人の流れが増えるので、当然コロナウィルスの抑制には真逆の効果をもたらすと思うのです。しかし、お安く旅行ができる点に関しては、消費者や旅行産業の方々にとってはありがたい企画といえます。
私も、一度使ってみようと、GOTOキャンペーンで京都に行くことにしました。日帰りでは交通費だけだとキャンペーン対象にはならないとのことでしたが、JR東海ツアーズとか、日本旅行などの旅行会社経由で、日帰りパックとして購入すれば、新幹線代だけだとしても、キャンペーンが適用されました。
私の今回の目的は、東寺の「立体曼荼羅」を見ることです。「立体曼荼羅」という言葉の響きだけでも、じゅうぶん興味がそそられますが、この仏像群の中に、ものすごくイケメンの仏がいるのです。前々からぜひ見たいと思っていたので、今回はとくにワクワクしております。
東福寺
通天橋
最初に、紅葉の名所、東福寺へ行きました。さすがは名所、駅から東福寺へ続く道すがらも、平日にもかかわらず人が多かったです。
特別拝観料を払って、お庭へ。こちらのお庭の紅葉の美しいこと。どこか山奥にでも迷い込んだかのように、たくさんの紅葉を見ることができます。紅葉の色も、赤、オレンジ、黄色、緑があり、それらが折り重なって美しいグラデーションを見せていました。
通天橋という有名な橋廊から見下ろす景色も一面の紅葉で、すばらしかったです。時期も良かったのか、紅葉が盛りで、飽きずにずっと見ていられるほどでした。
特別公開 三門
秋は、普段は非公開の文化財が特別公開されますよね。東福寺では、国宝の三門が特別公開となっていました。
室町時代再建の三門は、禅宗三門としては日本最古で最大の門だそうで、 高さ約22m、楼上には宝冠釈迦如来像や十六羅漢像が安置されています。
その名の通り、正面から見ると、3つの出入口があります。無空、無相、無願という三つの解脱を表す為に三つの出入口を開けてあるのだそうです。近くで見ると、その高さに圧倒されます。屋根の端が反り返り、堂々とした造りです。
入り口でしっかり熱を測ってから、門の脇にあるかなり急角度な階段を登って、楼上へのぼりました。上からは、東福寺が見渡せるのはもちろんのこと、遠くまで一望できます。
楼上は、かなり暗くて、十六羅漢像は近くに行ってもはっきり見ることが難しいぐらいでした。真ん中の宝冠釈迦如来像は、如来なのにたくさんの装飾品をつけた、きらびやかな姿でした。
また、天井や梁には彩色が施されており、飛龍や天女などが描かれています。完成当時はさぞ華やかな場所だったのだろうと想像できました。係の方がおられ、軽快な口調で説明をしてくださいました。
東福寺には、紅葉メインで来たのですが、思わず三門に登ることができて良かったです。
東寺
東寺も紅葉が有名です。こちらの紅葉は盛りがすぎていたように思いましたが、五重塔に紅葉が映える風景は、いかにも京都という感じがしますね。
平安京の正門、羅城門を挟んで建立されたのが東寺と西寺。その時代からずっと東寺はここにあるわけです。建物は焼失や再建を繰り返していますが、場所は同じはず。平安時代の人もお参りしたんだろうな。
最初に、食堂にはいりました。こちらには、火事で真っ黒に炭化した四天王が置かれていました。その大きさからも、焼ける前はさぞ立派であったろうと思われます。
修復待ちなのでしょうが、現状のお姿でも、仏教の諸行無常の教えを体現しておられるので、隅っこにまとめて置かずに、ご本尊の周りに配置してもいいのではないかと思いました。
講堂 立体曼荼羅
いよいよ、立体曼荼羅が安置されている、講堂の中へ。
密教の教えをわかりやすく表現したのが曼荼羅なのですが、その曼荼羅を、よりリアルに伝えるために、具体化、立体化させたものがこの立体曼荼羅なのです。
弘法大師空海の構想とのこと。空海のセンス、すごいわ。平安時代の人も、さぞ驚いただろうな。
中央の大日如来を中心に五智如来のエリアがあります。その大日如来に対面して右側に、金剛波羅蜜多菩薩中心にした五大菩薩のエリアがあり、左側に、不動明王を中心にした五大明王エリアがあります。そして、その周囲の四方には、四天王、梵天、帝釈天が配されています。
合計21体の仏像が居並ぶ様子は、壮観!!著名人が一堂に会したパーティーの様相。
国宝の仏像の宝庫でもあります。特別公開の期間中は、普段は通れない須弥壇の後ろの通路も歩くことができるので、仏像を後ろから眺めることもできます。
天部や明王のみなさまは、躍動感ある姿で表現されていて、彩色が残っているものもあり、どれも見ごたえのある仏像ばかり。その中で、私が会いにきた推しの仏像、帝釈天を探しました。
帝釈天は、私が入ってきた出入口の反対側にいらっしゃいました。まわりに強面の明王のみなさんがいらっしゃるせいもあり、帝釈天のキリっとしたイケメンぶりが際立って感じられました。
国宝の帝釈天は、写真で見ても、イケメンでしたが、実際に見ても、イケメン。右足だけをたらして、さっそうと像に乗っているあたりもかっこよすぎる。
見終わった後に、お土産屋さんで、ポストカードやらクリアファイルやら、グッズを買いあさったことは言うまでもありません。
金堂
すでに立体曼荼羅で、じゅうぶんな満足感なわけですが、こちらにはまだ注目の仏様がおられます。
次は、国宝の金堂へ。延暦15年、796年に東寺が創建され、最初に工事がはじめられたのが金堂だそうです。1486年に焼失し、1603年に再建されています。どっしりとした構えの大きな建物で、迫力があります。
こちらには、ご本尊の薬師如来坐像と、右側に、日光菩薩、左側に、月光菩薩が安置されています。
さきほどの21体に比べると、数の上では控えめですが、やはりご本尊だけあって、立派な光背のある大きな仏様です。薬師如来ですが、手に薬壷を持っていない古い様式だそうです。
平安時代も争いや病気が流行っていたのかな。今のコロナもはやく治まりますようにとお願いしました。
五重塔
東寺と言えば、こちらの五重塔が思い浮かびますね。新幹線の窓からも見えて、京都感の演出には欠かせないですね。
こちらも国宝です。東寺には、いったいいくつ国宝があるのかしら・・・。
高さは55メートル。木造の建造物としては日本一の高さだとか。この高さを、何百年も前に造る、技術と情熱ってすごいな。
こちらも弘法大師空海が構想とのこと。立体曼荼羅といい五重塔といい、空海のセンスは異次元。
さて、特別公開期間中は、普段は非公開の、五重塔の初層内部を見ることができました。
あいにくこの日は強風で。周囲の格子窓を開け放つと、中の仏様が倒れてしまうとのことで、一部の窓から中を覗き見ることになり、ここだけは行列になりました。
中は、壁や柱、天井の彩色がよく残っており、当時の極彩色の室内のイメージがつかみやすいです。中の仏様は、小ぶりなものが多いのですが、細かく細工され美しい金色に輝いていました。普段は非公開だから劣化が少ないのかな。
東寺、見どころが満載
さすがだよね
帝釈天のグッズ、もっとバリエーションがほしいよね?
アイドルじゃないんだから、グッズで勝負してないから
お庭でお団子でも食べて帰ろうか
さすが、仏像の宝庫だけあって、みうらじゅんさんの見仏記でも、東寺は何度か紹介されています。