知られざる国宝編 西尾 金蓮寺
仏旅の第2弾は、どこへ行こうかね?
西尾市に国宝のお堂に納められている仏像があるらしいよ?早速、仏(ブツ)る?
というわけで、仏旅第2弾は、西尾市の金蓮寺に決定。
国宝といえば、奈良の大仏とか、姫路城とか、その名が世間に知れ渡ってるものだよね?西尾市に国宝があるなんて初耳なんだけど・・・と話しているうちに現地に到着。海辺に近いこのあたりは、のんびりした雰囲気がするが、その町に溶けこむように何気なくその阿弥陀堂は建っていた。
国宝 金蓮寺弥陀堂
入場料もなく、高い塀で囲まれてもおらず、国宝ではあるが、誰でも招き入れてくれる。そのお堂の姿はとても優雅だが、そう感じるのは美しい曲線を描く檜皮葺の屋根のせいかもしれない。まるで貴族の邸宅のようなたたずまいで、光源氏が暮らしていたのは、こんなお屋敷だったのではないかと妄想はふくらむ。また、平安時代から守ってきた地域の方々の信仰心によって、こうして現在まで残ってきたのだと思うと感慨もひとしおだ。
今回目指す仏像は、この国宝の阿弥陀堂におさめられている。国宝にお邪魔しつつ、仏像を眺められるとは、何という贅沢!!お堂は閉まっていたので、お寺の方にご足労願って開けていただいた。そっと国宝の堂内に入る。中は暗くてよく見えなかったが、前面の格子戸が開け放たれた瞬間、外の光が3体の仏像を照らし出した。
開き戸の格子組も美しかったが、堂内の折りあげられた天井も細かい格子組になっている。建物だけでも十分美しいが、そこに仏像が加わると、さらに見ごたえがある。瀧山寺の時も思ったが、これが京都あたりに建っていたなら、参拝客が大勢押し寄せること間違いなしだと思う。
よみがえった阿弥陀三尊像
静かな堂内は、私たちだけしかおらず仏像を間近で拝観することができた。中央に阿弥陀如来像、右に観音菩薩、至勢菩薩がまつられている。平成19年から2年にわたって修理が行われる前は、仏様の腕が失われたり、台座が破損したりしていたらしい。像が黒く見えるのは、制作当時の黒漆の層が露出したためだという。本来は金箔がはられていたようで、衣のひだの部分などに残っているのが見える。台座も緑の彩色が施されており、完成した当初は、さぞ煌びやかであったことだろうと想像される。阿弥陀如来像は、どっしりした安定感があるが、表情は穏やかな印象。菩薩像とのバランスも良く、年月の重みも加わってか、とても魅力的な仏様だ。
横から見てみると、菩薩像は前かがみの姿勢をしていることがわかる。「よく来てくれたね。」と言わんばかりのお姿だ。悩める者たちを分け隔てなく温かく迎え入れてくれているように感じられる。こちらの阿弥陀三尊像を参拝した古の方々も、極楽浄土への往生が叶うような気持になったことだと思う。なんだか、とてもありがたい気持ちになった。
ところでさ、ここらへんって、寄り道するところあるのかなー?
三河をなめてもらっちゃこまるわ。海が見えるカフェがあるよ