金峯山寺 日本最大秘仏本尊特別ご開帳
また魅惑の言葉「秘仏」よ
今回は、プラス「異形」だから
引きが強いって
引きって・・・
金峯山寺のあるところって吉野だよね?
一目千本、一度見たいな
桜の名所+秘仏の旅
2021年は、例年より桜の開花がとても早くて、しかも散るまでの期間もとても短いという、お花見には向かない年でした。昨年から続くコロナ禍で、桜の下で集まってのお花見も自粛だったし。せっかくの春なのに残念です。
緊急事態は解除で、桜を見ることはOKだったので、どこかへ見に行こうか?と思った時に、奈良の吉野が浮かびました。
家からは少し遠いのですが、この桜の時期に、金峯山寺で秘仏のご開帳があることを知っていたので、桜+秘仏の旅に行きたいと思っていたのです。
それを今年決行することにしました。
ちょうど花まつりの日に行くことになりました。例年ならお花見にちょうど良い4月上旬ですが、すでに吉野の桜は山の上の奥千本が残っているだけという情報でした。
それでも、今度いつ行けるかわからないし、出かけてみることにしました。秘仏は確実に見られるわけですし(笑)
金峯山寺の令和3年「秘仏本尊 特別ご開帳」の期間は、令和3年3月27日(土)~5月5日(水・祝)です。
「秘仏」というだけでも若干テンションがあがるところへ、こちらのご本尊は、「異形」なのです。
巨大な3体の蔵王権現がいらっしゃるのですが、全体が青いのです。写真で見ただけで、目が釘付けになるほど。正統派の仏像も大好きなのですが、顔が3つあるとか、頭に馬がのっているとか、少し変わった形の仏像は、「どうしてこうなった?!」と、とても興味がわきます。
今回は特別拝観ということで、その異形の蔵王権現を間近で拝観できるわけです。もうワクワクしますね。
まずはお花見
平日で、桜のピークも過ぎていましたが、さすがは有名な桜の名所。山の中とはいえ、やはり人出はありました。下千本、中千本の桜はやはり散っていました。吉水神社境内からみる「一目千本」も盛りはすぎてました。
お昼に入ったお食事処で聞いたところでは、例年は4月上旬が満開なのですが、やはり今年は満開が1週間ぐらいは早いとのことでした。ちょうどその日、NHKが吉野から夜桜を中継するらしかったのですが、テレビも当てが外れたことになりますね。こればかりは、仕方ないことですね。
あきらめずに、桜が少し残っているという上千本に行ってみることにしました。かなり山の上のほうにあり、この時期は、山の上に自家用車の駐車場がなく、バスで向かうことになりました。
上千本の金峯神社の周辺はまだ桜が残っていました。山歩きの方々も多いようで、麓から歩いて登ってこられる方もいました。かなりの急坂なのに、すごいわ。
上の方まで行って、ようやく吉野のお花見をした気分になりました。ちなみに、さらに奥に、奥千本というところがあるのですが、歩いていく元気がなくて、やめました。
本堂 蔵王堂
さて、お花見も終わり、金峯山寺へ向かいました。
現在、国宝の仁王門が修理中で、そこに安置されているはずの金剛力士像は、奈良国立博物館で特別公開中でした。5メートルもあるという巨大な金剛力士像なのですが現地で見られなかったのは残念です。修理完了は、令和10年度の予定だそうです。
本堂の蔵王堂ですが、こちらも国宝です。その堂々とした佇まいはかなりの圧があります(笑)高さもかなりあります。周りに比べる建物がないのですが、高さが34メートルということは、10階建てのビルに相当すると思います。
さすがは巨大な蔵王権現が鎮座しているだけはあって、お堂もデカいです。威風堂々とはこのことです。
先ほど行った上千本の山の上からも、蔵王堂の大きな屋根ははっきりと見えていました。
いよいよ蔵王権現を拝観
さて、いよいよ蔵王堂の中に入ります。特別拝観料金は、大人1600円です!!
正直言って、まあまあお高いですね。蔵王権現に会うとなると、これぐらいの障壁があるのも当然かもしれません(笑)ちなみに、ミニ木札とエコバックがもらえます。
堂内もとても広い空間です。太い柱が、何本も何本も堂内を支えています。
今日は、花まつりなので、まずは、お釈迦様の誕生仏にあまちゃをかけてお参りしました。
そして目の前に、青い巨大な3体の蔵王権現が堂内狭しという風情で、厨子の中におまつりされておりました。まてまて、この厨子も相当デカいよね?よくこんな大きいもの、厨子に入れようと思ったね。
蔵王権現の大きさを数字であらわすと、中尊は7・28メートル、向かって右側が6・15メートル、左側が5・92メートル。特別拝観では、その足元まで寄ってお参りすることが可能です。コロナ対策で、衝立で仕切られたブースに入り、その姿を間近から見上げます。
3体は、釈迦如来、観音菩薩、弥勒菩薩のそれぞれが、今の世にふさわしい姿として現れた仮の姿ということですが、もともとの柔和さはどこへやら、とにかく怒っておいでです。
右足をふりあげて、今まさに厨子を出ようとされているようにも、目の前の悪を踏もうとしているようにも見えます。風が吹いているのか、それとも怒りのためか、髪の毛は逆立っています。金色の眉毛はつりあがり、牙の生えた口を大きく開いて、何か大声をあげているように思えます。
右手に三鈷杵(さんこしょ)という密教の法具を持っています。これは、魔を打ち砕くものらしいです。左右の蔵王権現像の左手は、二本の指を伸ばした「刀印」を結んでいます。情欲や煩悩を断ちきるという意味があるそうです。なんだか密教感があるなー。すごい法力で魔を打ち払うんだろうなー。かっこいいなー。
なんといっても、体表の青色はインパクトが大きいです。着ている衣に獣(虎?)の皮が表現されていたり、装飾品もそうだし、異国感というか、インド感があるなと思うのですが、調べたところ、この蔵王権現は日本独自の仏であり、この異形も日本であみ出されたものらしいのです。
7世紀後半に奈良の葛城山に住む山岳修行者の役小角(えんのおづぬ・役行者とも)が大峯山の山上ヶ岳で感得したといいます。役小角のセンス、どうなってるのかしら。
蔵王権現は、たしかに怒った顔をされているのですが、参拝していても、少しも怖い感じは受けませんでした。私が異形好きなこともあって、興味がそちらへ行っていたせいかもしれないですが、なんだか顔がすごく大きくて、足がとても短くて、ちょっとユーモラスな造形なんです。
顔が大きいからか、下から見上げると、頭上から見下ろされているような感じを受けます。足もあげてるから、厨子から飛び出してくるような、ちょっと3Dな雰囲気もあります。とにかく見飽きないです。
人が少ないことをいいことに、特別拝観の入り口で拝み、堂内を回って、また出口でも拝んでしまいました。選ぶブースの位置によっては、見える角度が違いますもんね。すばらしいものは、いろんな角度から拝みたいのが人情です。
大満足の拝観を終え、門前町でおいしい葛切りをいただいて帰路につきました。
やっぱり蔵王権現すごいわ
写真で見て知っていても、実物のインパクトが上回るもんね
来て良かったよ
たしかに底知れぬパワーは感じるね
唯一無二の存在だね
みうらじゅんさんの見仏記です。金峯山寺が紹介されています。