苔むしたお庭も素敵な秋篠寺
4寺巡りの3寺目は、秋篠寺だよ
大和西大寺駅からバスで5分
ちょうどお昼だし
ランチしてから向かう?
唐招提寺を拝観した後、西ノ京駅から電車に乗って、大和西大寺駅へ向かいました。
2寺見終わって、ちょうどお腹もすいてきたかと思います。大和西大寺駅でランチをされるのもよろしいかと思います。大和西大寺駅には、食事できるお店はもちろん、スイーツ、雑貨、お土産のお店もあります。また、駅の近くには、近鉄百貨店もあるので、そちらのレストランを利用されてもいいかもしれません。
秋篠寺は住宅街の中にあり、付近にすぐにお店があるような場所ではなかったので、腹ごしらえは大和西大寺駅周辺が便利かと思います。
大和西大寺駅北口のバス乗り場から、押熊行バスに乗車して、5分ぐらいで「秋篠寺」停留所に着きます。
秋篠寺へ行く道なのですが、途中かなり狭くなっていて、バス1台通るのがギリギリの感じです。なのに、この道は対面通行・・・交通整理の方が常駐していて、車のすれ違いをサポートしているぐらいの状態でした。
自家用車でこちらのバスルートを通られる方は、細い道であることを覚悟のうえ向かわれてくださいね。運転能力が低い私は、きっとオタオタしてしまう道です(笑)
最近話題の宮家の名前の由来
バス停からすぐ秋篠寺の東門が見えてきます。
そういえば、秋篠って名前、最近何かとテレビやネットで話題を集めていますね。
秋篠宮の名前の由来となっているのが、こちらの秋篠寺だそうなんです。初めて知りました。紀子さまが結婚された当初はずいぶん話題になったそうですよ。
ちょうど紅葉の季節に訪れたので、境内のもみじが赤くなっていました。人気もなく、静かで、良い雰囲気のお寺です。
境内を進むと、一面苔におおわれたお庭が現れました。こちらもとても美しいです。
ここは昔は金堂が建っていたようです。鎌倉時代あたりに戦火で焼けてしまって、礎石だけが残っているようです。最初から今のような苔むした庭をつくったわけではなく、建物の焼失後、苔が生えるにまかせていた感じなのかもしれません。廃仏毀釈にも遭って、お庭も自然のままになっていた期間が長かったようです。
それも今では儚さを表現しているかのように見えて、逆に幻想的で美しいですね。
仏像が近くで見られる本堂
拝観料を支払って奥へ進むと、国宝の本堂が見えてきます。横に長く、見た目の派手さは無いですが、重厚感のある建物です。鎌倉時代に再建築されたようですが、唐招提寺の金堂に似た感じがあり、奈良時代の雰囲気があります。
向かって左手に、内部に入れる入口があります。
堂内は床がなく、土間のままです。横に長い須弥壇のうえに、仏さまが並んでおられて、すぐ近くまで近寄って拝観することができます。柵やガラスで隔てられていないのは、うれしいです。
ご本尊は、薬師如来です。丸顔で頬もパンパンに張りがあって、お若い印象を受けます。日光月光の脇侍もいらっしゃいます。どちらも手に鏡のようなものをお持ちです。
十二神将も従えていらっしゃいます。十二神将は、像高70㎝程度と小ぶりなのですが、表情やポーズ、衣装が細かく表現されています。堂内が薄暗いので見にくいのですが、かなり彩色も残っているように見受けました。完成当時の色鮮やかさを彷彿とさせます。
噂にたがわぬ美しさ
さて、こちらのお寺のスーパースターと言えば、伎芸天です。
伎芸天女とは、ヒンドゥー教のシヴァ神(仏教では大自在天)が天上界で奏楽する時、その髪の生え際から生まれたという絶世の美女とのこと。
「豊穣・吉祥・豊楽を願えば悉く良く満足を与え、衆生の生業や芸を速やかに良く成就せしめる」とのことで、技芸に関わる人々が昔から深く信仰している仏さまのようです。
伎芸天ですが、ふくよかな体つきで、しなやかさも感じられます。小首をかしげて、伏し目がちなところはアンニュイさもあります。
何か言いたげに開いた口元は、赤色の彩色が残り、良く見ると、きれいな歯並びも見えます。髪はオレンジ色に染まっています。
なんでしょうか。動きのある仏像ってたくさんあるのですが、こちらを見て思うのは、人間っぽさです。居並ぶ仏さまに比べて、我々に近いものを感じるのです。仏像と言うより、人物像。
なんでだろうな?表情なのか、ポーズなのか・・・
腰掛けられる椅子もあり、人気もないこともあり、しばらく堂内にとどまって、眺めて過ごしました。
仏像好きには図録がおすすめです
こちらはポストカードはありませんでした。伎芸天は、ファンが多いのか、大きいポスターになってました。ポスターは大きすぎるなぁ・・・と思っていたところ、秋篠寺を紹介した図録がありました。中には仏像の写真が満載。こちらを購入することにしました。
500円ですが、35ページもあります。
秋篠寺には、大元帥明王という秘仏があり、開帳日は6月6日のみ。私が訪れた日も扉は閉まっていて、パネル展示のみでしたが、図録にはお写真が大きく載っていました。
大元帥明王は、ネックレスや腰ひもがわりに、蛇を巻き付けて、筋骨隆々。思いっきり下唇を噛みしめていて、かなり異形。いつか本物がみられるといいな。
秋篠寺は公式HPも見当たらないので、図録を購入して良かったです。よかったらぜひ(このブログの写真は、図録よりお借りしています)。
みうらじゅんさんの見仏記です。薬師寺が紹介されています。訪問する前に読んでみてはいかがでしょうか。
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